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2025.08.05
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メインキャスト4名(市川蒼、小西克幸、松岡禎丞、花守ゆみり) のオフィシャルインタビュー公開!
現在、第4話までが放送され、メインキャラクターのルド、エンジン、ザンカ、リヨウがそれぞれの個性を発揮しながら活躍する姿が描かれているTVアニメ『ガチアクタ』。
各キャラクターを演じる市川蒼(ルド役)、小西克幸(エンジン役)、松岡禎丞(ザンカ役)、花守ゆみり(リヨウ役)に、原作を読んだ印象、各々がキャラクターに感じること、「命が宿ったらいいな」と思う物など、本作について様々なテーマで話を聞いた。

(以下、インタビュー全文)
──原作を読んだ印象は?
市川:僕はテープオーディションを受けさせていただいた時に原作を読ませていただいたんですが、何と言っても絵力があるし、その中でも特に目力の強さを感じました。キャラクターの怒気をはらんだ目だけで、振り切ってしまうくらいに強く訴えかけるものを感じて。その印象が強烈で、ものすごくインパクトがありました。さらにキャラクターを自由に、魅力的に描き出すことで、そこに人間らしさやリアリティー、キャラクターの個性が見えてくるような作品だなと思いました。
小西:僕は第1巻が出たタイミングから読んでいました。市川くんが言っていたように、キャラクターも面白いし、お話も面白い。そして何より、裏那圭先生の絵の力が本当にすごい。静止画であるはずなのに、すごく躍動感があるというか。そこに“ちゃんと血肉が通っている”という印象が強かった。ぶっ飛んだキャラがたくさん出てくるし、ワードも面白い。天界のエピソードから下界に降りてきてというところから物語ははじまるんですが、その時点ではどんな話なのか分からないところもあったんですが、第1巻を読み終わる頃には虜になって、どんどん読み進めた感じでした。
松岡:とにかく“凄まじいな”というひと言ですね。一回、先生の頭の中のネジを外して、カパッと開けて中を見てみたいなと思いました。どうやったらこんなことを思いつくのだろうと。今は最新巻まで買って読んでいますが、毎回「どうなっちゃうの?」と続きが気になって仕方がない。これを週刊で追っている人たちは、毎週どういう思いで読んでいるんだろうと思いました。だから僕は単行本で買うんです。毎週モヤモヤしたくないから。それくらい頭の中に残る作品だったので、裏那先生リスペクトです。
花守:私もテープオーディションの段階で4巻まで読みました。絵のスピード感と背景の描き込みが独特かつ繊細、とにかくパワーがすさまじくて。マンガの段階から、頭の中に映像が浮かんでくるような作品だと感じました。ルドは奈落に落ちてしまったから、天界の事は分からないわけです。でも読み進めていくうちに、ルドは少しずつこの世界を知っていき、読者はルドの目線になって、ますます先が知りたくなっていくんです。好奇心を常にくすぐられ続ける作品だなと感じました。頼れるはずの仲間たちが何を考えて生きているのか、ということもだんだんと分かってきて。わたしたちはこの子のことを全然分かってなかったんだ。もっと知りたい、でも知りたくない……というようなアンビバレントな感情の中で、どんどんこのマンガの独特な味の虜になっていきました。そしてそれをアニメーションの芝居に落とし込む際も“どんな方向性で行くのか”をずっと考えていました。今は収録も進んでいて、こういう風な方向性にしたいなというのは、みんなの中にあると思うんですけど、台本をもらうたびに驚きがあって。それこそ週刊で読んでる人たちは毎回、大どんでん返しみたいなことを感じていると思うんですが、そうしたスピード感こそがこのアニメの魅力につながるんじゃないかと思っています。

──ご自身のキャラクターの魅力について教えてください。
市川:ルドはとにかく真っすぐなキャラクター。最初はコミュニケーションが上手な子ではないけれど、自分の感情を相手にぶつけることに臆してないというか。自分の感情のままに突き進むところがすごく魅力的だなと思います。ただし頑固で、人を拒絶しているというわけではなくて、掃除屋の仲間たちと接していく中で、どんどん柔和になっていく。他者と関わることでどんどん吸収していこう、相手のために何かしようという想いが芽生えていくんです。自分ひとりの力ではなく、誰かに頼るということを身につけていくところがすごくルドらしいというか。「こちらが助けてあげよう」と思うのではなく、「彼の生きざまを見守りたくなる」ようなところが魅力だなと思います。
――ただルドはだいぶ不器用だなと思います。
市川:そうですね。ただその不器用なところがルドの良さでもあるので。大人になると立ち回り方がうまくなっていくと思うんですが、彼はそれができないからこそ、彼が今後どう動いていくのかが気になりますし、どんどん先の物語を見たくなる。不器用なりのまっすぐさに感化される部分ってあると思うんですが、そこが彼の魅力だと思います。
小西:エンジンは掃除屋の一員であり、ルドを掃除屋に引き入れた元凶でもあります。つかみどころのないキャラクターではありますが、実はまわりのことをよく見ていて、しっかりと面倒も見ている。ザンカくんというお世話係をつけたりして。そしてこれはこの先の話になってくるんですが、彼が「なぜ掃除屋にいるのか」「掃除屋で何をしたいのか」「掃除屋として今後どう生きていきたいのか」といったところはまだ描かれていません。だからこそ、非常に引きが強いというか。一見、ゆるく生きているようでいて、決めるときは決める。カッコいいところだけ全部持っていくんで、まわりから見ると一番おいしいキャラだと思います。ギャグもできるし、シリアスで締めることもできる。本当にいろんな顔を持つキャラですね。どれが本当の顔なんだろうなとは思いますが。ふざけている中にも、ふと真剣な目をする瞬間があって。そういうところを自分でもちょっとずつ拾っていけたらいいかなと思っています。
――エンジンは、ルドとザンカの“衝撃の出会い”を聞いて大爆笑してましたが。
小西:とにかく全力で楽しんでいるヤツなんじゃないかなと思います。だってなんでもある世界じゃないですからね。汚染されているし、行けるところも限られている。けれどある意味抑圧されていない人たちだと思うんです。明日死ぬかもしれない、今日死ぬかもしれないという中で一生懸命生きているから。きっとみんな楽しく自由に生きているんじゃないかなと。そうなると自分に関わった人は大事にしようと思うし、その中で何をやりたいんだということを見つけて、そこに走っていく力も強くなる。きっとそういう人たちの集まりなんだと思うんですよね。だからこそ奈落で生きている人たちはカッコいいんだと思います。
市川:良くも悪くもみんな対等に生きているから。だからこそ個々の自由、持っている生きざまがカッコ良く、形になっているんだと思います。
小西:だからルドも最初はビックリしたんじゃないですかね。天界とは全然違う世界だったから。

――ザンカの魅力はどう感じていますか?
松岡:ザンカは、第一印象では大雑把な男という印象を受けましたが、それでも言葉から感じるもの、その言葉の使い方などに違和感もあったので、原作を読み進めていくうちに「なるほど、そういうことがあったから今のザンカがあるんだね」というところで合点がいきました。最初のうちは、台本を読んでも僕の頭の中で何かが「違う!」と叫ぶんですよ。言葉の使い方、話し方などでも「お前の今のやり方だときっと薄っぺらいものになる」と思ってしまいました。普段は原作を読み取ることができるのならば、たとえ先の展開を知らなくても一緒に成長できると思っているのですが、この作品はそういうものではなかったです。だから原作を読み進めていくうちに「なるほどね」と理解をしてからは、がっちりエンジンがかかったような感じがしました。だから大雑把に見えても、根底には自分の信念があるというところが見えたらいいなと意識しながら演じました。
――この作品はザンカとルドとの関係性も面白さのひとつだと思いますが。
松岡:出会いからして、めちゃくちゃですからね。最悪の中でも特に最悪な出会いですから。でもザンカは"あんなこと"があっても、なんだかんだ言ってルドのことは見ているという部分は隠しきれない。もしも"あの出来事"がなくて、ただ単にルドを掃除屋の組織の一員として迎え入れていただけだったとしたら、おそらくそこまでルドに思い入れはなかったんじゃないかなと思うんです。良くも悪くも最悪の出会いがあったからこそ良かった。ルドを見た瞬間に"あれ"が思い浮かぶわけですから。
花守:最悪だ……(笑)。
松岡:この“クソガキ”が……ということですよ(笑)。
――リヨウはどうですか?
花守:オーディションの話に戻るんですが、つかみどころがないというところを大切に演じたいなと思っていました。本番でのディレクションでも「声に表情をつけすぎないで、でも感情はちゃんと揺らしてほしい」というオーダーをいただいたので、それを自分の中でかみ砕いて。黒猫のように、人の懐には入ってくるのに、自分の懐には入れない。手を伸ばしたらスルッとどこかへ行ってしまうような危うさと、魔性の魅力がある子になればいいなと思いながら、今も研究しながら演じさせていただいております。ただ原作を読んでいても、いまだにわたしは彼女のことを何も知らないなと感じますし、もっと知りたいなとも思うんです。この気持ちをどうか、アニメを観ている方にも、ルドにも感じてもらえたらいいなと思いながらも、弄ぶ女の芝居を"怖い"と感じさせないようにできたらいいなと思いながら演じています。たぶん演じているわたし自身がリヨウの虜になっているんだろうなと思います。
――リヨウは戦闘能力の高さも魅力だと思いますが。
そうですね。そこも後々のキーになってくると思っているんですが。ただ今後、本当に彼女のことを何も知らなかったんだと、打ちのめされるようなシーンがあるので。そこに向けて、アニメを観ている方に、いかに彼女の魅力を感じてもらえるか、好きだなと思ってもらえるかが役者としても試されているなと思っているので。わたしも頑張ります。

——「命が宿ったらいいな」と思う物はありますか?
市川:僕はスマホですね。僕はいろんなことを忘れちゃうんですよ。誰かと約束していても、どうだったっけと。明日だよねと言われて思い出す、ということがけっこうあるので。それを全部管理してほしい。
花守:それは秘書だね。
市川:秘書的な感じですね。
花守:明日10時からガチアクタの取材がありますよって。
市川:全部教えてほしいです。
松岡:僕は家ですかね。もし家に命があると仮定したら、なんだか優しくなれる気がします。すべてのものに対して。
花守:体内で生かしてもらっているというような。
市川:怒らせたら溶けちゃうとか。
小西:今日のお風呂チクチクするな…みたいな。
花守:わたしは小さい頃からの夢なんですけど、人形ですね。『トイ・ストーリー』みたいに、寝てる間に動いていたりしないかなと、小さい頃に思ってました。小人の靴屋みたいに、細かいことをやっていてくれたらいいなと思いますけど。で、いるかもと思いたい。
松岡:起きたら台本をチェックしてもらいたいな。
花守:ちゃんとマーカーまで引いてくれてる! って。
市川:いろいろ書いてくれたらいいですよね。
花守:結局、秘書がほしいのかな、わたしたちは(笑)。
小西:僕は冷蔵庫ですね。冷凍しても勝手に解凍してくれたりとか。賞味期限が切れそうなものを教えてくれたりとか。勝手に氷をつくってくれたりとか。
花守:結局秘書が欲しいんだよね(笑)。
市川:管理されたいんでしょうね。

——最後にメッセージをお願いします。
市川:この作品って、画面の力だけでなくて、動きもそうだし、音楽もそうですが、ちゃんとアートとして昇華されて、ガチアクタの世界にすごく馴染んでいるなと思うので。何度見ても新しい発見がありますし、今回はここを注目して観たから、次はこっちにも注目してみようというような、いろんな楽しみ方ができる作品です。各キャラクターがすごく個性的で、いろんな意味でぶっ飛んだキャラクターがたくさんいるんで、一回じゃ見きれないと思うので、何度でも楽しんでいただきたいなと思います。よろしくお願いします。
小西:僕は原作好き勢なので、原作好き勢の方の期待を裏切らない作品になっているかなと思います。PVを観ていただけると一目瞭然だと思うんですが、「ガチアクタ」という作品に色がついて動くとこうなるんだと、これが「ガチアクタ」なんだと。原作を知っていても、その期待を超えてくるので。そういうことも含めて楽しんでいただけたらと。原作を知らない人でも、とにかくクオリティが高いので。ぜひ観ていただけたらうれしいです。
花守:原作の時点から、絵の迫力や背景などが浮かびあがるような、そんな動きがある作品だと思っていたんですけど、映像化にあたって、原作の印象を損なわないどころか、むしろ塗り替えるという感じで。スタッフさんからの「ガチアクタ」というアニメを魅せるんだ、という強い意志を感じて。それはアフレコ現場からも感じますし、見せてもらったアニメからも、その姿勢が常にビリビリ感じています。これを皆さんに観ていただくのがすごく楽しみだし、ひとくち食べたら、ずっと食べ続けないと気が済まないというくらいに虜になってしまう作品なので。皆さんにも虜になってもらいたいなと思いますし、役者としてもそこに力添えできるようにこれからも頑張っていきたいなと思います。どうぞ「ガチアクタ」をひとくち食べて、虜になってください。
松岡:やはり原作に力があるので、アニメ化はなるべくしてなったというところは絶対にあると思うんです。ただ物語のストーリーを追っていくと、人によっては「ウッ」となってしまうようなところもあるかもしれません。それでもそれを乗り越える過程で、たとえキツくても“続きが観たい!”と思わせてくれるような楽しい作品になっているので。ぜひともいろんな人を巻き込んで「ガチアクタ」をみんなで観ていただけたら。よろしくお願いします。

今後ますます加速していく本作の展開に、ぜひご注目ください!
TVアニメ『ガチアクタ』
CBC/TBS 系全国28局ネット「アガルアニメ」枠(日曜夜11時30分~)にて放送中!
Prime Video 先行配信(月曜0時00分~)、その他配信サービス(火曜0時00分~順次)
放送・配信情報はこちら
各キャラクターを演じる市川蒼(ルド役)、小西克幸(エンジン役)、松岡禎丞(ザンカ役)、花守ゆみり(リヨウ役)に、原作を読んだ印象、各々がキャラクターに感じること、「命が宿ったらいいな」と思う物など、本作について様々なテーマで話を聞いた。

(以下、インタビュー全文)
──原作を読んだ印象は?
市川:僕はテープオーディションを受けさせていただいた時に原作を読ませていただいたんですが、何と言っても絵力があるし、その中でも特に目力の強さを感じました。キャラクターの怒気をはらんだ目だけで、振り切ってしまうくらいに強く訴えかけるものを感じて。その印象が強烈で、ものすごくインパクトがありました。さらにキャラクターを自由に、魅力的に描き出すことで、そこに人間らしさやリアリティー、キャラクターの個性が見えてくるような作品だなと思いました。
小西:僕は第1巻が出たタイミングから読んでいました。市川くんが言っていたように、キャラクターも面白いし、お話も面白い。そして何より、裏那圭先生の絵の力が本当にすごい。静止画であるはずなのに、すごく躍動感があるというか。そこに“ちゃんと血肉が通っている”という印象が強かった。ぶっ飛んだキャラがたくさん出てくるし、ワードも面白い。天界のエピソードから下界に降りてきてというところから物語ははじまるんですが、その時点ではどんな話なのか分からないところもあったんですが、第1巻を読み終わる頃には虜になって、どんどん読み進めた感じでした。
松岡:とにかく“凄まじいな”というひと言ですね。一回、先生の頭の中のネジを外して、カパッと開けて中を見てみたいなと思いました。どうやったらこんなことを思いつくのだろうと。今は最新巻まで買って読んでいますが、毎回「どうなっちゃうの?」と続きが気になって仕方がない。これを週刊で追っている人たちは、毎週どういう思いで読んでいるんだろうと思いました。だから僕は単行本で買うんです。毎週モヤモヤしたくないから。それくらい頭の中に残る作品だったので、裏那先生リスペクトです。
花守:私もテープオーディションの段階で4巻まで読みました。絵のスピード感と背景の描き込みが独特かつ繊細、とにかくパワーがすさまじくて。マンガの段階から、頭の中に映像が浮かんでくるような作品だと感じました。ルドは奈落に落ちてしまったから、天界の事は分からないわけです。でも読み進めていくうちに、ルドは少しずつこの世界を知っていき、読者はルドの目線になって、ますます先が知りたくなっていくんです。好奇心を常にくすぐられ続ける作品だなと感じました。頼れるはずの仲間たちが何を考えて生きているのか、ということもだんだんと分かってきて。わたしたちはこの子のことを全然分かってなかったんだ。もっと知りたい、でも知りたくない……というようなアンビバレントな感情の中で、どんどんこのマンガの独特な味の虜になっていきました。そしてそれをアニメーションの芝居に落とし込む際も“どんな方向性で行くのか”をずっと考えていました。今は収録も進んでいて、こういう風な方向性にしたいなというのは、みんなの中にあると思うんですけど、台本をもらうたびに驚きがあって。それこそ週刊で読んでる人たちは毎回、大どんでん返しみたいなことを感じていると思うんですが、そうしたスピード感こそがこのアニメの魅力につながるんじゃないかと思っています。

──ご自身のキャラクターの魅力について教えてください。
市川:ルドはとにかく真っすぐなキャラクター。最初はコミュニケーションが上手な子ではないけれど、自分の感情を相手にぶつけることに臆してないというか。自分の感情のままに突き進むところがすごく魅力的だなと思います。ただし頑固で、人を拒絶しているというわけではなくて、掃除屋の仲間たちと接していく中で、どんどん柔和になっていく。他者と関わることでどんどん吸収していこう、相手のために何かしようという想いが芽生えていくんです。自分ひとりの力ではなく、誰かに頼るということを身につけていくところがすごくルドらしいというか。「こちらが助けてあげよう」と思うのではなく、「彼の生きざまを見守りたくなる」ようなところが魅力だなと思います。
――ただルドはだいぶ不器用だなと思います。
市川:そうですね。ただその不器用なところがルドの良さでもあるので。大人になると立ち回り方がうまくなっていくと思うんですが、彼はそれができないからこそ、彼が今後どう動いていくのかが気になりますし、どんどん先の物語を見たくなる。不器用なりのまっすぐさに感化される部分ってあると思うんですが、そこが彼の魅力だと思います。
小西:エンジンは掃除屋の一員であり、ルドを掃除屋に引き入れた元凶でもあります。つかみどころのないキャラクターではありますが、実はまわりのことをよく見ていて、しっかりと面倒も見ている。ザンカくんというお世話係をつけたりして。そしてこれはこの先の話になってくるんですが、彼が「なぜ掃除屋にいるのか」「掃除屋で何をしたいのか」「掃除屋として今後どう生きていきたいのか」といったところはまだ描かれていません。だからこそ、非常に引きが強いというか。一見、ゆるく生きているようでいて、決めるときは決める。カッコいいところだけ全部持っていくんで、まわりから見ると一番おいしいキャラだと思います。ギャグもできるし、シリアスで締めることもできる。本当にいろんな顔を持つキャラですね。どれが本当の顔なんだろうなとは思いますが。ふざけている中にも、ふと真剣な目をする瞬間があって。そういうところを自分でもちょっとずつ拾っていけたらいいかなと思っています。
――エンジンは、ルドとザンカの“衝撃の出会い”を聞いて大爆笑してましたが。
小西:とにかく全力で楽しんでいるヤツなんじゃないかなと思います。だってなんでもある世界じゃないですからね。汚染されているし、行けるところも限られている。けれどある意味抑圧されていない人たちだと思うんです。明日死ぬかもしれない、今日死ぬかもしれないという中で一生懸命生きているから。きっとみんな楽しく自由に生きているんじゃないかなと。そうなると自分に関わった人は大事にしようと思うし、その中で何をやりたいんだということを見つけて、そこに走っていく力も強くなる。きっとそういう人たちの集まりなんだと思うんですよね。だからこそ奈落で生きている人たちはカッコいいんだと思います。
市川:良くも悪くもみんな対等に生きているから。だからこそ個々の自由、持っている生きざまがカッコ良く、形になっているんだと思います。
小西:だからルドも最初はビックリしたんじゃないですかね。天界とは全然違う世界だったから。

――ザンカの魅力はどう感じていますか?
松岡:ザンカは、第一印象では大雑把な男という印象を受けましたが、それでも言葉から感じるもの、その言葉の使い方などに違和感もあったので、原作を読み進めていくうちに「なるほど、そういうことがあったから今のザンカがあるんだね」というところで合点がいきました。最初のうちは、台本を読んでも僕の頭の中で何かが「違う!」と叫ぶんですよ。言葉の使い方、話し方などでも「お前の今のやり方だときっと薄っぺらいものになる」と思ってしまいました。普段は原作を読み取ることができるのならば、たとえ先の展開を知らなくても一緒に成長できると思っているのですが、この作品はそういうものではなかったです。だから原作を読み進めていくうちに「なるほどね」と理解をしてからは、がっちりエンジンがかかったような感じがしました。だから大雑把に見えても、根底には自分の信念があるというところが見えたらいいなと意識しながら演じました。
――この作品はザンカとルドとの関係性も面白さのひとつだと思いますが。
松岡:出会いからして、めちゃくちゃですからね。最悪の中でも特に最悪な出会いですから。でもザンカは"あんなこと"があっても、なんだかんだ言ってルドのことは見ているという部分は隠しきれない。もしも"あの出来事"がなくて、ただ単にルドを掃除屋の組織の一員として迎え入れていただけだったとしたら、おそらくそこまでルドに思い入れはなかったんじゃないかなと思うんです。良くも悪くも最悪の出会いがあったからこそ良かった。ルドを見た瞬間に"あれ"が思い浮かぶわけですから。
花守:最悪だ……(笑)。
松岡:この“クソガキ”が……ということですよ(笑)。
――リヨウはどうですか?
花守:オーディションの話に戻るんですが、つかみどころがないというところを大切に演じたいなと思っていました。本番でのディレクションでも「声に表情をつけすぎないで、でも感情はちゃんと揺らしてほしい」というオーダーをいただいたので、それを自分の中でかみ砕いて。黒猫のように、人の懐には入ってくるのに、自分の懐には入れない。手を伸ばしたらスルッとどこかへ行ってしまうような危うさと、魔性の魅力がある子になればいいなと思いながら、今も研究しながら演じさせていただいております。ただ原作を読んでいても、いまだにわたしは彼女のことを何も知らないなと感じますし、もっと知りたいなとも思うんです。この気持ちをどうか、アニメを観ている方にも、ルドにも感じてもらえたらいいなと思いながらも、弄ぶ女の芝居を"怖い"と感じさせないようにできたらいいなと思いながら演じています。たぶん演じているわたし自身がリヨウの虜になっているんだろうなと思います。
――リヨウは戦闘能力の高さも魅力だと思いますが。
そうですね。そこも後々のキーになってくると思っているんですが。ただ今後、本当に彼女のことを何も知らなかったんだと、打ちのめされるようなシーンがあるので。そこに向けて、アニメを観ている方に、いかに彼女の魅力を感じてもらえるか、好きだなと思ってもらえるかが役者としても試されているなと思っているので。わたしも頑張ります。

——「命が宿ったらいいな」と思う物はありますか?
市川:僕はスマホですね。僕はいろんなことを忘れちゃうんですよ。誰かと約束していても、どうだったっけと。明日だよねと言われて思い出す、ということがけっこうあるので。それを全部管理してほしい。
花守:それは秘書だね。
市川:秘書的な感じですね。
花守:明日10時からガチアクタの取材がありますよって。
市川:全部教えてほしいです。
松岡:僕は家ですかね。もし家に命があると仮定したら、なんだか優しくなれる気がします。すべてのものに対して。
花守:体内で生かしてもらっているというような。
市川:怒らせたら溶けちゃうとか。
小西:今日のお風呂チクチクするな…みたいな。
花守:わたしは小さい頃からの夢なんですけど、人形ですね。『トイ・ストーリー』みたいに、寝てる間に動いていたりしないかなと、小さい頃に思ってました。小人の靴屋みたいに、細かいことをやっていてくれたらいいなと思いますけど。で、いるかもと思いたい。
松岡:起きたら台本をチェックしてもらいたいな。
花守:ちゃんとマーカーまで引いてくれてる! って。
市川:いろいろ書いてくれたらいいですよね。
花守:結局、秘書がほしいのかな、わたしたちは(笑)。
小西:僕は冷蔵庫ですね。冷凍しても勝手に解凍してくれたりとか。賞味期限が切れそうなものを教えてくれたりとか。勝手に氷をつくってくれたりとか。
花守:結局秘書が欲しいんだよね(笑)。
市川:管理されたいんでしょうね。

——最後にメッセージをお願いします。
市川:この作品って、画面の力だけでなくて、動きもそうだし、音楽もそうですが、ちゃんとアートとして昇華されて、ガチアクタの世界にすごく馴染んでいるなと思うので。何度見ても新しい発見がありますし、今回はここを注目して観たから、次はこっちにも注目してみようというような、いろんな楽しみ方ができる作品です。各キャラクターがすごく個性的で、いろんな意味でぶっ飛んだキャラクターがたくさんいるんで、一回じゃ見きれないと思うので、何度でも楽しんでいただきたいなと思います。よろしくお願いします。
小西:僕は原作好き勢なので、原作好き勢の方の期待を裏切らない作品になっているかなと思います。PVを観ていただけると一目瞭然だと思うんですが、「ガチアクタ」という作品に色がついて動くとこうなるんだと、これが「ガチアクタ」なんだと。原作を知っていても、その期待を超えてくるので。そういうことも含めて楽しんでいただけたらと。原作を知らない人でも、とにかくクオリティが高いので。ぜひ観ていただけたらうれしいです。
花守:原作の時点から、絵の迫力や背景などが浮かびあがるような、そんな動きがある作品だと思っていたんですけど、映像化にあたって、原作の印象を損なわないどころか、むしろ塗り替えるという感じで。スタッフさんからの「ガチアクタ」というアニメを魅せるんだ、という強い意志を感じて。それはアフレコ現場からも感じますし、見せてもらったアニメからも、その姿勢が常にビリビリ感じています。これを皆さんに観ていただくのがすごく楽しみだし、ひとくち食べたら、ずっと食べ続けないと気が済まないというくらいに虜になってしまう作品なので。皆さんにも虜になってもらいたいなと思いますし、役者としてもそこに力添えできるようにこれからも頑張っていきたいなと思います。どうぞ「ガチアクタ」をひとくち食べて、虜になってください。
松岡:やはり原作に力があるので、アニメ化はなるべくしてなったというところは絶対にあると思うんです。ただ物語のストーリーを追っていくと、人によっては「ウッ」となってしまうようなところもあるかもしれません。それでもそれを乗り越える過程で、たとえキツくても“続きが観たい!”と思わせてくれるような楽しい作品になっているので。ぜひともいろんな人を巻き込んで「ガチアクタ」をみんなで観ていただけたら。よろしくお願いします。

今後ますます加速していく本作の展開に、ぜひご注目ください!
TVアニメ『ガチアクタ』
CBC/TBS 系全国28局ネット「アガルアニメ」枠(日曜夜11時30分~)にて放送中!
Prime Video 先行配信(月曜0時00分~)、その他配信サービス(火曜0時00分~順次)
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